「こぶしとリンゴ」1966(昭和41)年頃 福岡県立美術館蔵=提供写真

【展覧会】
「没後50年 髙島野十郎展」作品紹介
細部こだわり光まで描写

文:北廣麻貴(大阪中之島美術館学芸員)

日本美術

 大阪中之島美術館で開催中の「没後50年 髙島野十郎展」(毎日新聞社など主催)から、主な展示作品を3回に分けて紹介する。

 コブシの花が生けられた花瓶の周りにはリンゴが5個置かれ、すりガラス越しにやわらかな光が差し込んでいる。花瓶の側面にはリンゴが反射して映り込み、背景には屋外に咲く花々が透けて見えるなど、細部までこだわった作品である。

 髙島野十郎は、東京帝国大学(現東京大)農学部水産学科を首席で卒業したものの画家の道をえらび、時代に流されることなく自身の画業を貫いた。数々の静物画を描いたが、光の扱いには相当な工夫を凝らした画家である。全体的に淡い桃色の優しげな画面からはうららかな早春の雰囲気が感じられる一方、花瓶の黒色と並べられたリンゴの赤色が画面を引き締めている。

INFORMATION

没後50年 髙島野十郎展

<会   期>6月21日(日)まで
<会   場>大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)
<問い合わせ>06・4301・7285(大阪市総合コールセンター)

2026年4月14日 毎日新聞・大阪版 掲載

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