ここは東京国立博物館。栃木県真岡市出土のハニワ「胡座(こざ)の男子」と「帽子を被る男子」、背後に巨大なハニワの足だけが見えている。この絵のハニワは、セザンヌの言葉通り「円筒、円錐、球」で構成されており、まるでキュビスム絵画のようだ。木版画家の斎藤清は、博物館ニュースの題字デザインの作者。斎藤は「上野の博物館がモダンになって、抽象の作品が目立つようになってきた。具象絵画をやっているのは、ばかにされる風潮だった。これではだめだと思って〝ハニワ〟を始めたんだ。国宝級の埴輪を手で持たせてスケッチさせてくれた」と語っている。
INFORMATION
「ハニワと土偶の近代」展 東京国立近代美術館
<会 期>12月22日(日)まで。会期中展示替えあり
<会 場>東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園)
<問い合わせ>ハローダイヤル(050・5541・8600)
展覧会公式サイト:https://haniwadogu-kindai.jp/
2024年10月28日 毎日新聞・地方版 掲載