
明治時代以降の出土系モチーフの変遷をたどる展覧会「ハニワと土偶の近代」(毎日新聞社など主催)が開催中だ。展示されている主な作品を紹介する。
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ただいまハニワ製作中。並び立つハニワたちの間に、土師部(はじべ)の翁と童子が描かれている。この絵が描かれた少し前、明治天皇が崩御され、京都の伏見桃山陵の造営が始まった。千数百年途絶えていたハニワ作りが復活し、彫刻家の吉田白嶺(はくれい)による新作のハニワの記事が新聞をにぎわせた。ハニワ製作の図は、遠い古を描きつつ、つい先日の出来事と重ねて見ることができる時事的な主題であった。一つの時代が終わり、また新しい時代がやってくる。本来は死と隣り合わせであるはずのハニワが、どこか牧歌的な明るさをたたえて描かれている。
INFORMATION
<会期>12月22日(日)まで。会期中展示替えあり
<会場>東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園)
<問い合わせ>ハローダイヤル(050・5541・8600)
展覧会公式サイトはこちら≫
2024年10月11日 毎日新聞・地方版 掲載