香川県庁舎旧本館及び東館(現在の東館、高松市)は、日本伝統の木造建築と近代建築が融合したモダニズム建築の傑作である。鉄筋コンクリート造り8階建ての高層棟と3階建ての低層棟から成る。丹下健三による設計で、1958年に完成した。
高天井のピロティが街との境界を曖昧にし、南側に広がる庭から庁舎と連続している空間により、県民が自然に集い、利用できる開かれた庁舎を実現している。1階ロビーの陶板壁画を香川県出身の洋画家・猪熊弦一郎が手がけたほか、家具の製作などでも芸術家との協働が行われた。


中央にエレベーターや設備を集約し、周囲の空間を柔軟に使える機能的な構造となっている。災害時の防災拠点としての役割を担うため、県庁舎としての機能を保ったまま、2019年に免震工事が完了した。22年、戦後の庁舎建築としては初めて国の重要文化財に指定された。世代を超えて守り継ぐべき文化的遺産としての価値を継承し、これからも県民の暮らしとともにあり続ける。
2026年4月12日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載