村山富市さん

【美とあそぶ】
古今亭志ん五さん/3
特徴誇張の「福笑い」

文:鈴木琢磨(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 これ誰だかわかります? そう、村山富市元首相。とんちゃん。なんといっても特徴はあの白くてながーい眉毛。ちょうど白いミニダイコンが取れたもので、いい感じに。鼻はブロッコリー、目と口には乾燥させておいたシシトウをあしらいました。

 写真を参考にはしますが、自分の頭の中にあるその人らしさを誇張しないと似顔絵にならないですね。それに野菜似顔絵は、目や鼻や口といったパーツを並べ替えながら完成させていく。偶然の要素が大きい。お正月の「福笑い」なんですよ。

 福といえば、野菜の収穫そのものが福です。そもそも野菜づくりにはまったのは、昨春の落語協会大喜利王選手権で優勝したことがきっかけでした。大きなスイカひと玉が賞品で、おいしくいただいたあと、種をまいたら発芽して。感動しちゃった勢いで園芸店に行き、野菜の苗を買いました。

PROFILE:

古今亭志ん五(ここんてい・しんご)さん

1975年、埼玉県川越市生まれ。2003年、初代古今亭志ん五師匠に入門。師匠没後、志ん橋門下となり、17年、真打ち昇進。古典、新作どちらも演じる。

2022年5月2日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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