木彫楠公像

【美とあそぶ】秋川雅史さん/1これまでで一番の自信作

文:福田智沙(聞き手、毎日新聞記者)

インタビュー

 2021年第105回記念「二科展」の「彫刻部門」に初めて出品し入選しました。入選できるか自信は半々。知人からは約100件の祝福メールが来て、06年に紅白歌合戦への出場が初めて決まった時以来の反響の大きさでした。

 作品は「木彫楠公(なんこう)像」。皇居前にある楠木正成の銅像をモチーフにしました。著名な彫刻家の高村光雲の写真集でこの銅像の存在を知り、形のかっこよさに魅了され、大きな目標になりました。

 音楽活動は新型コロナウイルスの感染拡大で制限され、年に70〜80あったステージは8割以上なくなりました。昨年は半年間ゼロ、今年も3カ月間ゼロという時もありましたが、マイナス思考になってはいけないという気持ちでした。毎日、彫れる時間がたくさんでき、かなり集中できましたし、相当きあいも入りました。4〜5年かかるところを3年で完成。これまでの作品で一番の力作で、自信作です。

PROFILE:

秋川雅史(あきかわ・まさふみ)さん

1967年、愛媛県生まれ。テノール歌手。2006年「千の風になって」が大ヒット。12日に千葉・舞浜アンフィシアターでの「The MASTERPIECE〜CLASSIC meets Rock〜」に出演。

2021年11月8日 毎日新聞・東京夕刊 掲載

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