
光や音楽を使ったデジタルアートが次々に現れ、視覚や聴覚を刺激する--。東京都港区の「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」の中に広がる複雑な空間。そこでは五感でアートを体験し、没入感に浸ることができる。
東京・お台場から移転して、この場所で2024年2月に開館した。約560台のプロジェクターと約610台のパソコンを駆使し、70以上の作品群を紹介している。
<人々のための岩に憑依(ひょうい)する滝>と題した作品では、青い光などで表現した滝が遠くの壁から足元まで流れ、来場者の立つ位置や動きによってその流れは変わる。壁に現れた白い鳥に触れると、鳥は花に姿を変えた。人が近づくと球体が光り輝く作品、日本の田園風景や小宇宙をイメージした作品にも出合った。

「地図のないミュージアム」とも言われ、順路はない。作品は全ての空間に切れ目なく展示され、自由に行き来できる。香りや音楽の変化も楽しめる。
オープンから1年で155万人以上が来館し、約65%は訪日外国人客だった。国別で最も多かったのは米国からで、豪州やカナダ、英国が続いた。実際に訪れた海外の有名人がSNS(ネット交流サービス)に投稿した映像を目にし、来館する人が多いという。

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<メモ>「チームラボ」は、東京都港区の複合施設「麻布台ヒルズ」ガーデンプラザBの地下1階にある。東京メトロ日比谷線の神谷町駅に直結。館内では撮影をしながら2~3時間は楽しめる。事前予約制のため、公式サイトでチケットを購入してから訪れよう。
2025年2月16日 毎日新聞・日曜くらぶ 掲載