特別展ポスター

 日比谷公園内にある千代田区立日比谷図書文化館の開館10周年を記念する特別展「タイムトリップ・江戸から東京へ 資料で綴(つづ)る千代田の風景」が22日から開催される。長年にわたって収集・保存してきた資料を中心に展示し、江戸時代から日本の首府として機能してきた千代田区の歴史と風景を紹介する。

 本展は、明治維新から150年後にあたる2018年の特別展「江戸から東京へ」の第2弾として企画された。前回が黒船来航以降の江戸から明治へと移る時代変動の政治的な面に重点を置いたのに対し、今回はより長期的なスパンで、江戸から東京へと時代が移りゆくなかで街がどのように変わっていったかに焦点を当てる。同館の事業企画担当の岩渕博さんは「消えていった風景や、今も残る歴史遺産の重要性に気づいていただきたい」と話す。

 展示資料数は約70点(一部展示替えあり)。近代化が進む街の中で江戸から引き継がれた庶民の様子を捉えた「ニコライ堂建築足場から撮影された日本最古の360度パノラマ写真」(1889年)や、名所を描いた「東京三十六景九段さか」などの錦絵が展示の目玉になる。新型コロナウイルスの感染対策として、入館時の手指の消毒や検温、展示室内でのマスク着用の呼びかけ、混雑時の入場制限などを実施する。

東京三十六景九段さか

 会期は10月22日〜12月19日。入館は10時〜18時半(金曜は19時半まで、日曜・祝日は16時半まで)。11月15、22日は休館。観覧料は一般300円、大学・高校生200円、千代田区民、中学生以下、障害者手帳等を持つ人は無料(証明書の提示が必要)。問い合わせは同館(03・3502・3340)。

PROFILE:

西本龍太朗(毎日新聞記者)

2021年10月22日 毎日新聞・都内版 掲載

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